飲食店の安定した経営においてはリピート率を高めることが重要です。
この記事では、リピート率の平均、リピート率の調べ方をお伝えするとともに、リピーターを増やす施策をご紹介していきます。
リピーターを獲得して、安定した売上を目指すぞ!
飲食店のリピーター/リピート率とは?
飲食店におけるリピーターとは、お店に2回、3回と複数回にわたり来店してくれるお客様のこと。
リピート率は、新規の顧客の累計(実人数)の内、再来店してくれたお客様の割合です。
例えば、お店が開店してしてから100人の新規のお客様が来たとして、そのうち35人が再来店した場合、リピート率は35%となります。
飲食店のリピート率の平均は?
飲食店のリピート率は、30%が平均と言われています。
参照:多店舗・多業態展開を支えるデータの活用と徹底した理念経営
一方で、お店の業態によってもリピート率は変わってきます。例えば、ファストフード店やチェーン店などはリピート率が高いと言われています。
自分も近所のファストフード店のリピート客になっているよ。
30%を一つの目安にしつつ、自分のお店のリピート率を調べて、その値を高めていくことが重要です。
自分のお店のリピート率の調べ方
リピート率を調べる場合は「期間」を区切って調べます。よく利用されるのは「月間リピート率」です。
「月間リピート率」の計算式
- 月間リピート率(%) = ひと月のリピーター数 ÷ 新規顧客の累計 × 100
例えば、お店がオープンしてから先月までの累計で、100人の新規のお客様が来店したとします。そのうち、この1ヶ月で再来店したリピーターの数が40人だった場合、「40人 ÷ 100人 × 100 = 40%」となります。
リピート率は、リピーター化の指標になります。リピート率がが高いほど、繰り返し来店してくれる常連客が多いということです。
どのお客様がリピーターなのかを判別する方法
飲食店では、どの方が再来店したお客様かがわからない場合も多いです。そんな時は、以下の方法で、リピーターかどうかを判断する必要があります。
- 「ポイントカード」や「クーポン」などをお渡ししてその利用率を計測する
- 「アンケート」を実施して、新規なのかリピーターなのかを計測する
- 「当店のご来店は初めてですか?」と伺う
このように、飲食店でリピート率を計算するには、どのお客様がリピーターなのかをカウントする仕組みが必要になります。
「リピート率」と「リピーター率」の違い
いままでは、「リピート率」の説明をしてきましたが「リピーター率」という値もあります。
リピーター率は、特定期間に来店したお客様の中での、リピーターの割合を表します。例えば、ひと月の内で、新規客とリピーターのどちらが多かったかを調べたい時に使います。
「リピート率」と「リピーター率」の違い
- 月間リピート率:新規顧客の累計の内、ひと月で新規客がリピートした割合
- 月間リピーター率:ひと月の来店数の内、リピート客が占める割合(新規とリピートどちらが多いかがわかる)
リピート率は、リピーターになってくれているお客様の指標なので、高い方が望ましいです。
一方で、リピーター率は、新規顧客とリピーターのどちらが多いかを表す値なので、リピーター率が高い場合は、新規のお客様が少ないということにもなります。ですので、必ずしも、リピーター率は高ければ良いというわけではありません。
「リピーター率」で、新規客とリピーターの割合をチェックしながら、「リピート率」を増やすための取り組みを行うことが重要です。
飲食店でリピーターが増えるとどんなメリットがある?
飲食店でリピーターが増えると、どんなメリットがあるのか確認していきましょう。
売上が安定する
パレートの法則をご存じでしょうか?イタリアの経済学者であるパレートが発見した法則です。
パレートの法則とは、売上の8割は2割の優良顧客で作られていると考えられています。2割の優良顧客のリピート率と購入単価を上げれば、売上は上げやすいということです。
売上を安定させるためには、売上の大きな割合を占める「優良顧客」が重要です。優良顧客がリピート客になることによって、お店の売上が安定していきます。
変化や流行の影響を受けづらい
時代の変化や流行があった時にも、リピーターや常連客は、お店の支えとなってくれる場合があります。
コロナ禍においても、常連客がお店の応援の意味を込めて、来店やテイクアウトをするエピソードは多く見られました。
お店が変化の時代を生き抜くためにも、関係性を深められているリピーターは重要です。
集客コストが抑えられる
リピート客は、新規顧客の場合と異なり、集客コストを抑えられる傾向があります。
新規顧客の集客には、広告費がかかる場合が多いですが、リピート客の集客は「SNS、クーポン、ポイントカード」などの運用や仕組みづくりによって、費用を抑えながらも一定の効果を上げる施策があります。このように、リピーター客向けの集客は、やり方を知っていれば、金額を抑えられることが多いのです。
集客については「【2023年最新】飲食店の集客方法を徹底解説!事例からアイデアまで」の記事も併せてご覧ください。
良い口コミが増える
リピーターになってくれるお客様は、そのお店に良い印象を持ってくれているお客様だと考えられます。そういったお客様は、SNSへの投稿やGoogle Mapで良い口コミをしてくれることがあります。
お店の方からも、口コミや評価を促す声かけをして、良い口コミを増やすように意識していくと良いでしょう。
新規顧客の集客に繋がる
リピーターのお客様は、友達、家族、同僚など、知り合いを連れて来店してくれることもあります。
リピーターは売上を安定させるだけではなく、新規顧客の集客にも良い影響を与えてくれる可能性があります。
なぜリピーターが増えないのか?基本のチェックポイント
もしもリピーターが増えない場合は、以下のポイントをチェックしてみましょう。
お料理の満足度が低くないか?
まずは、肝心なお料理の満足度を確認しましょう。お料理の満足度には以下のようなものが含まれます。
- お料理の味は良いか
- ボリュームは十分か
- メニューは充実しているか
- 通いたくなる味付けか
これらが満たされていることが、再来店の一つの条件になります。
価格が期待値と合っているか?
次は価格です。お客様が想定する予算と大きな差がないことが重要です。それには、以下のような点で考えることができます。
- お料理に対して価格が高すぎないか
- お店のコンセプトと価格感はマッチしているか
- お客様の層と予算は見合っているか
お客様の価格に対する期待値と実際の支払い金額に、大きな差がないかを確認しましょう。
サービス/接客の質は高いか?
次に、サービスや接客面です。
「お料理」や「価格」が良かったとしても、サービスや接客が悪ければ、再度来店したいとは思えません。
- お料理の提供速度は適切か
- 丁寧で公平な接客ができているか
- ミスは少ないか
- スタッフの身だしなみは適切か
- 店内は清潔か
このような点に問題がないかをチェックしましょう。
居心地/雰囲気は良いか?
意外と忘れがちなのが、お店の居心地や雰囲気です。残念ながら、サービスや接客が良くても、居心地や雰囲気が良くないお店があります。以下のポイントをチェックしてみてください。
- お店のBGMは大きすぎないか、テンポが早すぎないか
- スタッフ間での会話は多すぎないか
- 客層はコンセプトに合っているか
- 客席間のスペースは狭すぎないか
- 照明はコンセプトに合った明るさになっているか
リピーター向けのお店か?
そもそも、お店の客層が「リピーター向け」でなければ、リピーターを増やすことは難しいでしょう。
リピーター向けではないお店には以下のようなケースが考えられます。
- 観光客をターゲットにしたお店
- 流行に左右されやすいお店
- 一度来ると満足するお店(インスタ映えを売りにしているなど)
このような場合には、リピート客を増やすよりも、「新規客の獲得に力を入れる」ほうが、お店のコンセプトにマッチしている場合もあります。
まずは、お店のお客様の層が、リピート化に向いているのかどうかを把握しましょう。
飲食店でリピート率を増やす方法
それでは、飲食店でリピート率を増やすための施策について、ご紹介していきます。
基本の4つの取り組み
先ほど「なぜリピーターが増えないのか」でご紹介した4つの点。これらの質を高めることは、前提となります。あらためてご確認ください。
リピーターを増やすための基本の4つの取り組み
- お料理の満足度を高める
- 価格と期待値を合わせる
- サービス/接客の質を上げる
- 居心地/雰囲気の良いお店づくりをする
さらに工夫したい3つのこと
基本の4項目にプラスして、リピーター化を促すための3つの工夫が考えられます。
リピーターを増やすための3つの工夫
- 記憶に残る体験を生み出す
- SNSを活用してリピートを促す情報配信を行う
- 「ポイントカード」や「クーポン」を用いる
詳しくみていきましょう。
1. 記憶に残る体験を生み出す
リピーターになるということは「あのお店にもう一度行こう」と思い出してもらえることが重要です。
その際、記憶に残るような体験をしていることが、思い出すきっかけにつながります。
記憶に残る体験は、さまざまな要素で作り出すことができます。例えば、以下のようなものがあるでしょう。
- 素晴らしいお料理
- 印象に残るような景色
- 心地の良い空間
- スタッフの方の心遣い
- スタッフの方との会話
この中で、取り組みやすいのが接客面での心がけです。小さなことでも良いので、お客様との関係づくりを行うようなお声かけや心遣いをすることで、来店の体験が印象的になります。
例えば、以下のようなちょっとした会話をするだけで、お客様とお店の間に関係を築くことができます。
- 「ご来店は初めてですか?」と声をかけて、新規のお客様に対して、当店のこだわりをお伝えしたり、おすすめメニューをご案内する
- 「お店を知っていただいたのは、どのようなきっかけでしょうか?」と調査も兼ねて質問してみる
- 「ご近所ですか?」と尋ねてみる
注意点としては、お店都合のお薦めをしたり、ドリンクの追加を聞くのではなく、あくまでもお客様とお店の関係を深めるための声かけを意識してみてください。押しが強いお店だと思われると、逆効果になってしまうことがあります。
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2. SNSを活用してリピートを促す情報配信を行う
再来店してもらうためには、来店のきっかけを作り出すことも重要です。その一つが、SNSを活用した情報配信です。
SNSには以下のようなものがあります。
- X(旧Twitter)
- LINE公式アカウント
これらを活用して、新作のお料理を投稿したり、こだわりをアピールすることが、投稿を目にしたユーザーの再来店を促します。
3. 「ポイントカード」や「クーポン」を用いる
さらに、来店のきっかけを作り出すには、「ポイントカード」や「クーポン」などを用いることも一つです。
来店するごとにお得になる仕掛けがあると、再来店しやすくなります。
また、これらを利用するお客様は、リピーターであることもわかるため、リピーター率のカウントにも役立ちます。
リピーターを増やすためのポイントまとめ
あらためて、リピーターを増やすための方法をまとめます。
【まとめ】リピーターを増やすためのポイント
- お料理の満足度を高める
- 価格と期待値を合わせる
- サービス/接客の質を上げる
- 居心地/雰囲気の良いお店づくりをする
- 記憶に残る体験を生み出す
- SNSを活用してリピートを促す情報配信を行う
- 「ポイントカード」や「クーポン」を用いる
これらの施策を行いながら、リピーターを増やして安定した店舗経営を目指していきましょう!