飲食店では、スタッフの確保が大きな課題になっています。
- スタッフは何人いればいい?
- 人手が足りない中で、お店を回すにはどうすればいいの?
と、スタッフの適正人数やホールオペレーションの悩みがつきません。
スタッフは結局何人にすればいいのか、知りたいよ!多すぎても人件費がかかるし、少なすぎてもオペレーションが回らないんだよね…
この記事では、「スタッフの適正人数」と「少ない人数でお店を回す方法」について、お伝えしていきます。
飲食店のスタッフの人数は何人が適切?
飲食店のスタッフの人数は何人が適切なのでしょうか?
もちろん、「どんなお店なのか」によって、必要なスタッフの数は変わってきます。
そして重要なのは、
- お店のオペレーションが問題なく回ること
- 利益が確保できること
の2つが同時に満たされていることです。
オペレーションも利益も、両方大事!
ここでは、自分のお店のスタッフの適正な人数を調べるための、3つの計算方法をご紹介します。
スタッフの適正人数の求め方
- 客席数から計算する
- 人時売上高から計算する
- 人件費から逆算する
この3つの方法で適正な人数を計算してみましょう!
これらの3つの方法で出した人数のバランスが取れていると、「オペレーションも利益も適切」なスタッフ数になっていると考えられます。
では、1つずつ説明します。
1. 客席数から計算する
まずは、客席数(テーブル数)から、ホールスタッフ数の目安を決める方法があります。
- テーブル席(1テーブル4人掛けを想定)がメインのお店で、1人のスタッフが4テーブルを担当するイメージ
- カウンター席があったり、1,2名の来客が多いお店で、1人のスタッフが16名を担当するイメージ
テーブル席/収容人数から求める計算式
- テーブル席メイン:テーブル席数÷4
- 1,2名の来店が多い:収容人数÷16
20人÷16=1.25人のホールスタッフ(1-2人)
がいれば、満席時も問題なくホールを回せると考える。
セルフサービスのお店なら、できるかもしれないけど、スタッフが注文を取るお店なら、ホールスタッフ1人でお客さま16人の対応は難しい…
お店によっては、もっと少ない人でも回せる場合もあれば、もっと多くの人が必要になる場合もあります。
特に、カウンター席や1,2名の来客が多い場合には、目安数よりも多くのスタッフが必要になったり、セルフサービスやセルフオーダーなどの仕組みが必要になるケースも多いです。
注意点としては、これは満席時のホールスタッフの数のみなので、調理スタッフなどの人数は含まれていません。
例えば、収容人数が20人のお店の場合は、調理スタッフも1名必要で、合計で2-3名というように、合計のスタッフ数を考える必要があります。
まずはこの計算式で、スタッフの人数を出してみましょう。
2. 人時売上高から計算する
次は、「人時売上高(読み方:にんじうりあげだか)」から計算する方法です。
人時売上高とは?
人時売上高は、従業員1人が1時間働くことで得られる売上高のこと。
人時売上高 = 売上高(1ヶ月) ÷ 総労働時間(1ヶ月)
人時売上高は、1ヶ月の売上高を、1ヶ月の総労働時間で割った数です。総労働時間は、全スタッフの労働時間を合計した数です。
人時売上高の平均は、「3,000-4,000円」、理想は「5,000円」と言われています。
人時売上高が大きいということは、売上に対して労働時間が少ないということ。
お店のオペレーションの仕組みが整っている場合もあれば、スタッフに負担がかかってしまっている場合も考えられます。
人時売上高が高い場合は高い理由を、低い場合は低い理由も、併せて考えないといけないね!
3. 人件費から逆算する
3つ目は、適正な人件費から逆算して、スタッフの人数を求める方法です。
人件費の平均は、売上高の30%前後で、理想の値は25%です。もしも、人件費を25%にするなら、何人のスタッフになるのかを逆算してみましょう。
人件費の平均は売上高の30%前後と説明しましたが、実は「仕入れ費と人件費の合計が、売上高の60%未満とする」ことが安定的な経営の一つの指標と言われています。
そのため、もしも仕入れ費が25%であれば人件費は35%でも許容範囲内に収まりますし、仕入れ費が35%であれば人件費は25%まで抑える必要が出てくるかもしれません。
人件費の適正値を考えるときは、仕入れ費も併せてみていくことが重要です。この、仕入れ費と人件費を合わせた金額を「FLコスト」と言い、売上高に対する割合を「FL比率」と言います。
FL比率はとても重要な経営の指標です。「【入門編】飲食店のFLコストとは?FL比率の平均と計算方法」の記事で詳しく説明しています。
少ない人数でお店を回すには?
適正なスタッフ数を計算で出してきましたが、重要なのは、
- 少ない人数でオペレーションを適切に行う
- 利益を出し続ける
これらを両立させること。
そのためには、少ない人数でお店を回せる「仕組みづくり」が、最重要です。
特に、中小規模の飲食店が増えてきた昨今では、オーナーが1人でお店を切り盛りしていたり、家族経営をしていたり、オーナーとアルバイト1-2人、などでお店を回しているケースも少なくありません。
中小飲食店舗では、家族経営が多く、オーナー家族以外は全てアルバイトで運営されていることが多い傾向があります。
そして、損益構造はFLコストに依存するケースが多いのです。
だからこそ、「できるだけ人件費を抑えること」そして、「人件費を抑える仕組み」を作ることが大切です。
参照:業種別支援の着眼点
どうやって、お店を回す仕組みを作るのかが知りたいなぁ!
少ない人数でお店を回す仕組みづくり
2つの方法をご紹介します。
- シフトの最適化を行う
- セルフサービス/セルフオーダーを取り入れる
まず1つ目は、シフトの最適化です。
ピーク時に必要な人数と、平常時に必要な人数は異なります。ピーク時をうまく見定めて、シフトの人数を最適化するようにしましょう。
2つ目は、セルフサービス/セルフオーダーを取り入れることです。
特に中小規模の店舗では、導線をうまく作って、お客さまにも協力いただくことで人件費を削減することが可能になります。
セルフオーダーって何?
セルフオーダーとは、お客さま自身が注文を行う仕組みです。最近では、お客さまのスマホでQRコードを読み込み、注文までをするセルフオーダーの仕組みが増えてきました。
- お客様が自分のスマホでQRコードを読込む
- スマホでメニューを閲覧する
- スマホから注文をする
- 注文内容はキッチンで確認できる
- 会計金額も自動で計算される
というもの。
ホール業務で時間がかかる「注文取り」の作業をお客様に行ってもらうことで、ホールスタッフの負担を圧倒的に減らすことができます。
当社の「オーダーアール」も、スマホで行うセルフオーダー(モバイルオーダー)のサービスです。無料で利用できるので、ぜひお試しください。
まとめ
スタッフの適正人数の求め方
- 客席数から計算する
- 人次売上高から計算する
- 人件費から逆算す
少ない人数でお店を回す方法
- シフトの最適化を行う
- セルフサービス/セルフオーダーを取り入れる