飲食店の接客の基本を抑えて、マニュアル化をしたい、飲食店経営者、オーナー向けに、好印象を与える接客のポイントを解説していきます。
基本の考え方、言葉遣い、場面別の接客方法まで、マニュアル化をしやすいチェックリストでご紹介します。
接客を向上させるためには、スタッフの教育や適正な人数の確保が必要です。
「それをするためには、人手が足りない…」そんな時には、ホールのオペレーションを効率化するセルフオーダーの仕組みが役立ちます!
セルフオーダーの詳細は、以下からご覧ください。
飲食店で接客はなぜ大事?
飲食店では、接客が重視されています。飲食店の今後の経営方針の取り組みについての調査では、「食事メニューの工夫」が1位となり、次いで「接客サービスの充実」が2位にランクインするほど、重要な要素と考えられています。
参照:参照:厚生労働省 飲食店営業(料理店) の実態と経営改善の方策
接客はリピート率と集客に影響する
なぜ接客がこれほど重視されるのかというと、接客のマイナス評価は、「リピート率」と「新規客の集客」の2つに大きな影響を与えるからです。
いくら料理の味が良いお店でも、接客で不快な思いをした場合は、再来店をしたいとは思えません。口コミ評価を見ても、「料理は良かったのにスタッフの対応が悪く、二度と来ない」という評価はとても多く見られます。
まだそのお店に行ったことのない方も、その口コミを見るとネガティブなイメージがついて「行ってみようと思ったけれど、やっぱりやめよう…」と新規客の獲得にまで影響を与えてしまいます。
接客方法はマニュアルにして共有が必須
接客方法を決めたとしても、現場スタッフがその方法を実践していなければ、何の意味もありません。
スタッフ間の接客方法の共有に役立つのがマニュアルです。
実行に移しやすいマニュアルを作り、店舗スタッフ内で共有できるようにしましょう。
飲食店の接客【5つのポイント】
飲食店の接客を考える上で、基本になるポイントがあります。ここでは、中小企業基盤整備機構の接客サービス5つのポイントを元に、事例を含めて解説をしていきます。
1. 親切
接客の土台となるのは「親切」な気持ちです。お客様の目線になって、気配りの行き届いたサービスを提供していきましょう。
「親切」チェックポイント
- 店内の様子に気を配れているか
- サポートが必要なお客様に気づけているか
- 声をかけられる前に行動できているか
- 明るい雰囲気で仕事ができているか
2. 正確
オーダーやお会計時に、正確に行動できるかも重要です。また、正確さは電話対応でも必要になります。
「正確」チェックポイント
- オーダー内容にミスがないよう復唱しているか
- お料理は正しいテーブルに運んでいるか
- お会計の合計金額やおつりに間違いはないか
- 予約対応で名前、人数、日付の間違いはないか
3. 公平
公平性は、新規客の満足度にかかわるポイントです。常連客だけをひいきして、新規客が居づらい雰囲気になっているお店も少なくありません。常連客も新規客もどちらにとっても居心地の良いお店づくりを心がけましょう。
「公平」のチェックポイント
- 常連客との会話に夢中になっていないか
- 新規客にとっても居心地の良い雰囲気になっているか
- 常連客のメニューだけ特別扱いしていないか
- 常連客の食事を先に提供していないか
4. 迅速
お客様の対応スピードは、接客の満足度に大きく関わる重要な項目です。オーダー、料理の提供、食器を下げる際、お水の提供、お会計など、さまざまな場面で迅速さが求められます。
「迅速」のチェックポイント
- 来店客にすぐに気づいて声かけができているか
- お客様に呼ばれた際に迅速に対応できているか
- オーダーは速やかに取れているか
- お料理の提供スピードは遅すぎないか
- お料理の提供が遅くなる場合はオーダーを受ける時点で説明ができているか
- 食器をスムーズに下げられているか
- お水の提供を求められた際は後回しにせずにすぐに対応できているか
- お会計でお待ちいただく際は声かけができているか
迅速さを提供する為に、オーダー受けの作業をセルフオーダーで自動化するお店も増えてきています。セルフオーダーについては、「スマホで注文!飲食店の店内オーダーをお客様がスマホから行う方法」の記事で確認してください。
5. 清潔
そして、接客においてはスタッフの身なりから受ける印象も重要なポイントです。なによりも「清潔さ」は飲食店にとって欠かせません。不潔な印象を持たれないようにしましょう。
「清潔」チェックポイント
- 髪は清潔でまとまっているか
- 爪は短く切りそろえられて清潔感があるか
- 顔に清潔感があるか(NG例:不衛生な髭、濃すぎる化粧)
- 服装は清潔で汚れはないか
- きつい匂いはないか(NG例:衣服の匂い、香水)
【補足】飲食店で重要なQSCA
ここまで、接客における重要なポイントを紹介してきました。実は、接客だけではなく、飲食店の店舗運営として重要なQSCA(読み方:キューエスシーエー)という考え方があります。これは、顧客満足度に影響を与える基本の考え方なので、合わせて確認しておきましょう!
QSCAとは
「QSCA」とは“Quality=品質” “Service=サービス” “Cleanliness=清潔” “Atmosphere=雰囲気”の頭文字をとったもの。飲食店にとって、顧客に満足してもらうために必要な要素を意味します。
- 【Q】Quality(クオリティー、品質):質の高いお料理を提供できているか
- 【S】Service(サービス):気配りが行き届いたサービスを提供できているか
- 【C】Cleanliness(クレンリネス、清潔さ):店舗全体として清潔であるか
- 【A】Atmosphere(アトモスフィア、雰囲気):お店は良い雰囲気で運営されているか
飲食店の接客用語
ここからは、飲食店で利用する基本的な接客用語をご紹介します。
基本の用語
言葉遣いが適切でないと、接客のイメージを損なってしまうことがあります。まずは、以下の基本的な接客用語を使えるようになりましょう。
- いらっしゃいませ
- 少々お待ちください
- お待たせいたしました
- かしこまりました
- 恐れ入ります
- 申し訳ございません
- ありがとうございました
場面別の接客用語
以下の場面別で使われる接客用語をまとめました。
- お出迎え・ご案内・満席の際
- 注文を伺う
- 配膳
- お会計・お見送り
- 予約時/電話対応
これからご紹介する場面別の接客用語は、お店のコンセプトによっても幅があります。基本的な用語をご紹介していきますので、お店の雰囲気に合わせて、カスタマイズしてください。
1. お出迎え・ご案内・満席の際
お出迎え・ご案内の際に利用するフレーズです。これらはお店の第一印象になりますので、明るく速やかにお声かけするようにしましょう。
- いらっしゃいませ
- ご来店ありがとうございます
- 何名様でしょうか
- ご予約はいただいていますでしょうか
- (予約の場合)お待ちしておりました
- ご案内いたします
満席の際に利用するフレーズです。
- 申し訳ございません。現在満席でございます
- こちらでお待ちいただけますでしょうか
- お待たせいたしました。お席へご案内いたします
2. 注文を伺う
次は、ご注文を伺う際のお声かけです。
- ご注文をお伺いいたします
- ご注文はお決まりでしょうか
- ご注文がお決まりになりましたら、お呼びくださいませ
伺った注文内容にミスがないように、復唱します。
- ありがとうございます。ご注文を繰り返します
- ・・がおひとつ、・・がおふたつ
- 以上でよろしいでしょうか
- かしこまりました。少々お待ちくださいませ
3. 配膳
出来上がったお料理を、テーブルに運ぶ際に使うフレーズです。配膳の際は、注文した方の前にお料理を配膳できれば接客の印象が良くなりますが、覚えられない場合や、注文を受けた人と配膳する人が異なる場合は、確認しましょう。
- お待たせいたしました
- ・・(料理名)はどちら様でしょうか
- 以上でご注文の品はおそろいでしょうか
4. お会計・お見送り
お会計時とお見送りの際の言葉遣いです。
お客様がお店を出る際の印象は記憶に残りやすいので、最後まで気を抜かずに接客をしましょう。
- ありがとうございます。伝票をお預かりいたします
- お会計は・・・円でございます
- (お釣りが発生する場合)・・・円お預かりいたします
- (ちょうどの場合)・・・円、ちょうど頂戴いたします
- ・・・円のお返しでございます
- レシートでございます
- ありがとうございました。またのご来店をお待ちしております
5. 予約時/電話対応
予約を電話で受ける場合に使う言葉です。電話での接客は、言葉だけになるため、来店時よりも難しい場合が多いです。はっきりと聞き取りやすい言葉で、お客様が安心して予約・来店できるように、対応しましょう。
- お電話ありがとうございます。・・・(店名)です
- ご来店の日時はお決まりですか
- 何名様のご予定でしょうか
- 確認いたしますので少々お待ちください
- お待たせいたしました
- ご希望の日時でご予約を承れます
- お客様のお名前とお電話番号をお伺いできますでしょうか
- ご予約内容を確認させていただきます
- お電話ありがとうございました。私・・(スタッフ名)が承りました
- 当日はお気をつけてお越しくださいませ
スタッフの教育が大変…という場合
ここまで、接客の基本的なポイントや、接客用語をご紹介してきました。
冒頭でもお伝えしましたが、接客を向上させ、お客様の満足度を高めるには、適切な教育とスタッフ数が必要です。
ですが、「接客は向上させたいけれど、スタッフの手が足りない…」「人手不足だ…」という場合には、ホール業務の効率化が実現するセルフオーダーシステムを利用することができます。
セルフオーダーシステムを利用すると、以下のようなメリットがあります。
- 注文受け作業が不要になる
- 注文受けのミスがなくなる
- お客様のオーダーの待ち時間が無くなる
- スタッフの接客ストレスが減る
- 作業効率がアップして、必要な接客に時間を使えるようになる
- 注文の取り逃がしを防いで売上アップに繋がる
当社のオーダーアールは、無料で使えるセルフオーダーシステムです。少しでもセルフオーダーにご興味がある方は、ぜひ一度お試しください。