飲食店を経営していると、色々な数字があって把握するのが大変です。
さらに、細かく管理しても、うまく経営に活かせない… ということも。
この記事では、飲食店の安定した経営をするために、「これだけは抑えておきたい」というFLコスト・FL比率についてお伝えします。まずはここから経営の理解を進めていきましょう!
飲食店経営の第一歩!まずはコレだけ理解すればいいんだね。
飲食店のFLコストとは?
飲食店のFLコスト(読み方:エフエルコスト)とは、食材費と人件費を合わせた金額のことです。
Fとは、Food(食材費)のことで、LとはLabor(人件費)を指します。
この、FLコストは、飲食店のコストの中でも大部分を占めるため、この金額を適正にすることが「安定した飲食店の経営」には重要だと言われています。
たしかに、食材費と人件費が、大きなコストになっているよ。
FL比率とは?計算方法は?
FLコストを適正な値にするためには、まずFL比率を調べます。
FL比率は、売上高のうち、食材費と人件費に使っている割合のこと。
FL比率 = FLコスト ÷ 売上高 × 100 (%) で計算します。
・売上高 = 300万
・食材費 = 90万
・人件費 = 75万
・FLコスト= 90万 + 75万 =165万
・FL比率 = 165 ÷ 300 × 100 = 55%
ちなみに、人件費には、給与だけではなく時間外手当や交通費、社員の場合は、退職金や福利厚生費なども含まれます。
アルバイト/パートタイムの人件費に含まれるもの
- 時給
- 時間外手当
- 深夜手当
- 交通費 など
正社員の人件費に含まれるもの
- 給料・賞与
- 各種手当(役職,残業,通勤,住宅など)
- 社会保険
- 退職金
- 福利厚生費 など
人件費には、色々含まれるんだね〜。
飲食店のFL比率の平均は?
一般的なFL比率は、売上の60%(6割)ほどと言われています。このFL比率が少なければ少ないほど、安定した経営ができているといえます。
飲食店経営で最大の経費は“原価(Food)”と“人件費(Labor)”です。一般的な飲食店のFL(原価・人件費)は売上の6割程度です。
業態によって異なるFL比率の目安
FL比率は6割ほどとお伝えしましたが、実は業態によって、FL比率の平均は異なります。さらに、食材費と人件費のバランスも違ってきます。
例えば、
- カフェやバーなど、ドリンク中心で売り上げを上げる形態は、食材比(原価)は20%台も可能
- ラーメン店などは、トッピングやサイドメニューを組み合わせて、20%後半が目安
- 焼肉やステーキなど、こだわりの肉を利用している場合は、食材費は40%ほどと比較的高い
など、どのようなメニューを扱っているのか、またどのメニューがよく出るのかによって、仕入れ原価が売上に占める割合は異なってきます。
FL比率の目安は異なりますが、60%以下には抑えたいというポイントは共通しています。
自分のお店の理想のFL比率を計算してみよう!
では、1ヶ月の売上高とFLコストから、FL比率を出してみましょう。
- 1ヶ月の売上高は?
- 1ヶ月の食材費は?
- 1ヶ月の人件費は?
- FLコスト(食材費+人件費)は?
- FLコスト ÷ 売上高 × 100(%)は?
60%を一つの目安に、どれぐらい平均から離れているのかを計算してみましょう!
60%より高い場合は「要注意」です。
もしもFL比率は55%だったら、60%よりも低いので、危険ではなさそうだな。
【家賃を含む】FLR比率とは?
FL比率に家賃(Rent)を加えた「FLR比率」を、経営の目安にする場合も増えてきました。
理由は、家賃も飲食店のコストの大きな割合を占めるからです。
そうそう!「食材費」と「人件費」と「家賃」が、3大コストなんだよね〜。
家賃の目安は、売上高の10%を基準にする場合が多いため、FLR比率は70%が目安となります。
ただし、お店のコンセプトによっては、
- 家賃を5%にして、FL比率を65%に上げる
- 家賃を20%にして、FL比率を50%に抑える
など、FLR比率が70%以内に収まる範囲内で、「食材費」「人件費」「家賃」を調整することも一つの方法です。
家賃がかからない場合は、それだけ食材費や人件費を多く使っても、儲けを出すこともできるよね。
FLコストを改善しよう!
FLコストが高い場合は、適正なバランスになるように調整が必要です。
Food(食材費)とLabor(人件費)を削減するポイントをご紹介します。
Foodコスト(食材費)を管理する3つの方法
食材費を管理する3つの方法
- 仕入れ先を見直す
- 食材の無駄や廃棄を減らす
- オーバーポーション*を減らす
* オーバーポーション:盛りすぎ・作りすぎ
出典:業種別支援の着眼点
当たり前のことですが、「良い食材を安く仕入れ」「無駄なく使い切る」ということが、食材費の削減につながります。
ただし、コストを削減するために品質を落とせば、お料理の質に影響してしまい、お客様の満足度が低くなってしまう可能性があります。
品質はそのまま、値段だけを下げるように工夫することが大切なんです。
そうは言っても難しいよ。何か無駄をなくす方法は無いのかな?
無駄をなくすには、売り上げ予測を立てて、適切な仕入れをすることが重要です。
もし、売り上げ予測がうまくできていない場合は、メニューごとの売上が”見える化”できる、「売上管理システム」を利用されるのをおすすめします。
当社モバイルオーダーの「オーダーアール」なら、売上を自動で管理する機能も搭載されています。無料で利用できるので、ぜひお試しください。
Laborコスト(人件費)を管理する3つの方法
人件費を管理する3つの方法
- シフトを最適化する
- スタッフ一人ひとりの生産性を上げる
- オペレーションを最適化する
人件費を管理するポイントは、「適正な人数の配置」と「生産性の向上」と「オペレーションの最適化」です。
最近では、飲食業界全体で、スタッフの確保が困難になっている状況があります。せっかく入ったアルバイトも、すぐに辞めてしまう… というケースも増えてきました。
そうそう。良いスタッフに入ってもらえるかどうかは、お店の売り上げにも雰囲気にも関わるのでとっても大事なんだけど、人材確保が本当に難しい…
人材の確保の課題はとても大きいのですが、嘆くばかりでもありません。なぜなら、オペレーションを最適化するための様々なサービスも増えてきたからです。このようなサービスを利用すれば、無理なく人手を削減することが可能です。
最近注目されているのは、モバイルオーダーシステムです。これは、
- お客様が自分のスマホでQRコードを読込む
- スマホでデジタルメニューを閲覧する
- スマホから自分で注文をする
- 注文内容はキッチンで確認できる
- 会計金額も自動で計算される
というもの。
ホール業務で時間がかかる「注文取り」の作業をお客様に行ってもらうことで、ホールスタッフの負担を圧倒的に減らすことができます。
当社の「オーダーアール」も、モバイルオーダーシステムのサービスです。無料で利用できるので、ぜひお試しください。
FLコストのまとめ
- FLコストとは、食材費と人件費を合わせた金額のこと
- FL比率 = FLコスト ÷ 売上高 × 100 (%)
- FL比率は、売上の60%(6割)ほど
- FL比率に家賃(Rent)を加えた「FLR比率」を目安にする場合も多い
- 食材費を下げるポイントは、「良い食材を安く仕入れ」「無駄なく使い切る」「過剰な盛り付けをしない」
- 人件費を下げるポイントは、「適正な人数の配置」と「生産性の向上」と「オペレーションの最適化」
よし!FL比率が把握できたので、これから店舗経営の指標として使っていくぞ!