小さい飲食店の開業ノウハウ

小さな飲食店を開業しようと思うけれど、

  • 小さい飲食店の広さはどれぐらい?
  • スタッフ数は、何人ぐらい?
  • 開業資金はいくらぐらい必要
  • 小さい飲食店を経営する時の注意点は?
  • 実際、どんな流れで開業の手続きをするの?

という、疑問が出てきます。

この記事では、これらの悩みを解決する「小さい飲食店の開業ノウハウ」を解説していきます!

個人飲食店の売上平均については、【保存版】個人飲食店の売上は平均いくら?必要な利益の計算方法を解説の記事もご覧ください。

小さい飲食店とは?具体的にどんな種類があるの?

まず、小さい飲食店をイメージしてみます。

小さい飲食店のイメージ

こんなお店が浮かんできませんか?

 

  • オーナー1人で営んでいる、カウンターだけの小さな居酒屋
  • イートインとテイクアウトが可能な、居心地の良い小さなカフェ
  • メニューは定番と週替わり定食の2つのみ。美味しくて通いたくなる定食屋
  • 平日2日だけ開店される間借りバー
  • こだわりのラーメン屋 etc…

このように、「小さいお店」の定義に正解はないですが、ポイントは3つあります。

  1. 【スタッフ数】1〜2人で対応しているお店
  2. 【広さ】席数は10席以下
  3. 【その他】提供形態・店舗形態・ジャンルなど

順番にみていきます。

1.【スタッフ数】1~2人で対応しているお店

従業員を雇わずに1人、もしくは2人ほどでお店を切り盛りするお店は、小さいお店と考えられます。

従業員(*)を雇うと、人件費が必要になったり、社会保険の加入対象となるなど、少なくはない出費が発生します。

【意味・定義】従業員*とは

従業員とは、企業と雇用契約を結んでいる労働者のこと。正社員だけではなく、契約社員やアルバイトも含まれる。

1人でお店を切り盛りする場合は、人件費を考える必要がないため、経費の心配事がかなり軽くなります。

1人でなくとも、ピーク時には家族などの親しい人や最低限のスタッフに手伝ってもらうケースも含まれます。

2.【広さ】席数は10席以下

広さとしては、座席数が10席以下のお店がイメージされます。

厨房の大きさと、客席をカウンター席かテーブル席にするかによっても異なりますが、一般的に面積は10-15坪ほどと言われています。

例えば、1坪(3.3㎡)に2.5席と考えると、10席確保するためには4坪が客席になり、残りが厨房やトイレなどになります。

3.【その他】提供形態・店舗形態など

さらに、小さな飲食店には、さまざまなケースが考えられます。

提供形態の例
  • 店内飲食
  • テイクアウト
  • デリバリー

新型コロナウイルスの影響もあり、テイクアウトやデリバリーの需要も増えました。

小さなお店であっても、店内飲食を提供しながら、テイクアウトやデリバリーをおこなっているお店もあります。

例えば、小さなカフェでは、イートインも可能ですが、テイクアウトも対応し、売上を伸ばすこともできます。定食屋であれば、同じメニューをお弁当としてテイクアウト販売することも可能です。

店舗形態の例
  • 賃貸
  • 自宅開業
  • 間借り

さらに、店舗形態も多様になっています。

一般的には、物件を借りて運営をしますが、自宅の一部をお店にしたり、別の飲食店の営業外の時間を「間借り」する店舗形態もあります。

このように、多様な方法で小さな飲食店を開業するケースがあるので、自分にぴったりなお店の形態を選んでいきましょう!

小さい飲食店の開業資金はいくら必要?

小さい飲食店を開こうと思うと、資金はいくら準備をする必要があるのでしょうか?

自己資金と資金調達で約1000万円を準備!

一般的に、飲食店の開業にかかる費用は、1,000万円前後と言われています。

ですが、賃貸物件か、自宅開業か、間借りかによっても大きく変わります。また、お店の立地、お店の広さ、居抜き物件かどうかによっても異なります。

そのため、10〜15坪ほどの小さな飲食店であれば、もっと費用を抑えられる可能性は高いです。ここでは、約1,000万円として説明を進めます。

この「約1000万円」には、「初期費用」と「運転資金」の2つが含まれます。

飲食店開業にかかる費用の内訳例
    1. 【初期費用】
      1. 物件の取得費(補償金・敷金・礼金・保証金・前家賃など)
      2. 内装・外装工事、厨房設備費
      3. 什器・備品
    2. 【運転資金】
      1. 家賃
      2. 光熱費
      3. 人件費
      4. 食材費
      5. 広告・システム費

順番にみていきましょう。

【初期費用】(約620万円〜)

初期費用は、「1. 物件の取得費(補償金・敷金・礼金・保証金・前家賃など)」「2. 内装・外装工事、厨房設備費」「3. 什器・備品」の3つに分けて考えるとわかりやすいです。

順番に、費用の目安をご紹介します。

1. 物件の取得費

例えば、10坪ほどの小さなカフェで、家賃20万円の物件を借りたと想定します。その場合の見積もりは以下になり、合計300万円が必要です。

約10坪のカフェの見積もり例
  • 保証金:20万× 10ヶ月 = 200万
  • 礼金: 20万× 2ヶ月 = 40万
  • 仲介手数料:20万 × 1ヶ月 = 20万
  • 前家賃:20万 × 2ヶ月 = 40万
2. 内装・外装工事、厨房設備費

先ほどと同様、あくまでも一例となりますが、10坪ほどのカフェを改装しようと思うと、合計350万円となります。

約10坪のカフェの見積もり例
  • 内装・外装工事:250万
  • 厨房設備費:100万
3. 什器・備品

店内で使用する食器や調理道具、テーブルや椅子などを用意する費用も必要です。

こちらは、どのようなお店にするのかによって大きく異なりますが、数十万円ほどをみておくと良いでしょう。

【運転資金】は6ヶ月分(約320万円〜)

一般的に、軌道に乗り始めるまでには6ヶ月ほどかかると言われているため、6ヶ月分の運転資金は開業時に準備しておきましょう。

運転資金は、毎月必要な費用です。以下のような費用が含まれます。

運転資金の内訳の例
  • 家賃
  • 光熱費
  • 人件費(従業員がいない場合は不要)
  • 食材費
  • 広告・システム費

従業員がいない場合の一例として、以下のような計算になり、合計320万円程度必要です。

運転資金 費用 備考(6ヶ月分)
家賃 800,000円 前家賃除いた4ヶ月分
光熱費 800,000円 約13万円/月
食材費 1,500,000円 約100万/月の売上で、25万円/月の仕入れを想定
広告・システム費 100,000円
合計 3,200,000円

(上記は、オーナー自身への給料は省いています。)

自己資金はいくら?資金調達はいくら?

自己資金は多ければ多いほど良いですが、すべてを自己資金で準備するのは現実的ではありません。

日本政策金融公庫の調達先のデータを参考にすると、自己資金は開業に必要な資金の27%となる、305万円です。

飲食店開設資金の調達先

 

自己資金は3割を目安にしてみてください。

資金調達/融資を受ける方法

一般的に、飲食店の開業で融資を受ける金融機関は「日本政策金融公庫」です。

銀行や信用金庫などは、経営の実績がない限り、融資をしてもらうことは難しいのですが、経営実績がない方の受け入れもおこなっている機関が、政府系の金融機関である「日本政策金融公庫」です。

【意味・定義】日本政策金融公庫とは

日本政策金融公庫は、民間金融機関の取組みを補完し、事業に取組む方々等を支援する政策金融機関(いわゆる「政府系金融機関」のひとつ)。

 

金利の低さと、経営の実績がない創業時や、中小企業・小規模事業者の方にも対応しているのが特徴。

個人事業者でも「日本政策金融公庫」から融資を受けられる?

小さな飲食店を始める場合、「個人事業者」として始める方もいらっしゃるかもしれません。その場合でも、日本政策金融公庫は融資に対応しています。

ただし、誰でも融資を受けられるわけではなく、しっかりとした創業計画が立てられているのかが、厳しく審査されます。

資金計画や仕入れ先、自己資金の準備や売上予測など、計画を練っておく必要があります。

創業計画の立て方については、日本政策金融公庫の創業計画Q&Aも参考になります。

 

小さい飲食店の注意点とメリットは?成功させるポイントも!

小さい飲食店を経営する際のメリット・注意点・成功させるポイントを順番に解説していきます。

小さい飲食店の3つのメリット

まずは、小さい飲食店を行う3つのメリットをご紹介します。

小さい飲食店の3つのメリット
  • 少ない資金で始めやすい。運転資金(人件費)を抑えられる
  • 常連客を増やして安定した営業につなげやすい
  • 自分の理想のお店を表現できる

まずは、資金的なメリットです。小さなお店の場合は、家賃や人件費を抑えられるため、少ない資金で始めることができます。

そして、小さなお店の場合は、オーナーとお客さまの距離が近く、お客さまが常連客になりやすい傾向があります。常連客は、来店頻度が高いため、安定した営業につなげやすいと考えられます。

自分がオーナーとしてお店を運営するということは、自分の理想のお店を表現することができます。「こわりたいこと」「お客さまに提供したいもの」「自分が望むお店の雰囲気」それらを大事にしながら、自分のお店を運営していく楽しみがあります。

小さい飲食店の3つの注意点

注意点です。3つご紹介します。

小さい飲食店の3つの注意点
  • 休みが取りづらい
  • 仕入れ値が高くなりがち
  • 売上の限界がある

小さな飲食店では、オーナー1人もしくは少数のスタッフで働くケースが多いため、オーナーが病気になって休む必要があると、その日は定休日となり、売上がなくなってしまいます。長期の休業も、売上が入らない期間となります。

また、小さなお店では、客数が限られるため、小口の仕入れになることが多く、大量仕入れに比べると仕入れ値が高くなると考えられます

最後に、売上の限界値が伸ばしづらいことです。売上は、「顧客単価」 ×「客数」で計算ができます。小さな飲食店では、客席数が限られているため、売上の限界値が伸ばしづらい傾向にあります。テイクアウトを始めたり、顧客単価を調整したりしながら、適切な売上を目指していきましょう。

小さい飲食店を成功させるためのポイント

小さい飲食店を成功させるポイントは何でしょうか?

小さい飲食店を成功させるためのポイント
  • しっかりとしたコンセプト設計
  • 必要なことにコストを使い、無駄な出費を減らす
  • 運営しやすい導線設計/オペレーションの効率化

お客さまに選んでもらえる飲食店となれるように、「コンセプト設計」がとても大切です。次の開業の流れの【ステップ1】で、コンセプトの設計方法を解説しています。その内容を参考に、コンセプト設計をおこなってください。

小さい飲食店では、売上の上限がある程度決まっているからこそ、無駄な出費は控えましょう。ただし、コンセプトを損なうほどの、出費の削減は気をつけましょう。お客様の満足度が下がったり、オペレーションが複雑になってしまっては、本末転倒です。

そして、運営しやすい導線設計とオペレーションの効率化は必須です。特にオーナーが1人で回している場合は、なるべく無駄な動きをせずに、スムーズに提供できる動線の設計を考えましょう。

オペレーションの効率化には「セルフオーダーシステム」がおすすめ

注文を取りまとめることができる、セルフオーダーシステムを活用することも一つです。

お客様が自分で注文をすることで、注文受けの作業や、会計作業を自動化することができます。なるべく、労力をかけずにオペレーションができる仕組みづくりを行いましょう!

小さい飲食店の開業の流れ【10のステップ】

実際に飲食店を開業する際、どのような流れで進めれば良いのかをご紹介します。

小さい飲食店の開業の流れ【10のステップ】
  • 【ステップ1】コンセプトを考える
  • 【ステップ2】物件を探す
  • 【ステップ3】事業計画を立て、資金調達をする
  • 【ステップ4】メニューを決める
  • 【ステップ5】仕入れ業者を選定する
  • 【ステップ6】店舗内装・設備工事を進める
  • 【ステップ7】資格取得・届出を行う
  • 【ステップ8】什器・備品を用意
  • 【ステップ9】販促とプレオープン
  • 【ステップ10】開業!

各ステップを見ていきましょう。

【ステップ1】コンセプトを考える

飲食店の生存率は2年で50%と言われています。

2年以降もお店が継続できる理由はさまざまですが、その一つとして「しっかりしたお店のコンセプト」のもと、お店作りをしているケースが挙げられます。

コンセプト設計が、お店づくりと運営の重要な土台となります。しっかりと設計していきましょう!

特に小さなお店の場合は、何となくそのお店に行くのではなく、「そのお店に行きたい!」と選んでくれる常連の方々が、お店を支えてくれます。そのためには、ブレないコンセプトを考えることが肝心です。

コンセプト設計はどうするの?

コンセプト設計において、最も重要なのが「なぜお店を開業するのか(=WHY)」です。

「なぜ小さな飲食店を開きますか?」

まずは、この質問の答えを言葉にします。

たくさんの飲食店がある中で、なぜ飲食店を開業しようとしているのでしょうか?その理由を深掘りして言葉にすることで、コンセプトの土台ができます。

例えば以下のように、自分なりの飲食店を開く理由を文字にします。

  • 美味しいお野菜を味わって欲しいから
  • 仕事後に一息つける場所を提供したいから
  • 近所の方々が交流できる温かな場所を作りたいから

WHYが言葉になったら、次にそれを実現するためのお店のイメージを「6つの質問」に答えながら固めていきます。

WHYを実現するための6つの質問
  • WHO(誰に):どんな方がお客さんになりますか?
  • WHAT(何を):どんなメニューを提供しますか?料金はいくらぐらいですか?
  • WHERE(場所):どの場所が適していますか?
  • WHEN(時間):営業時間は何時から何時までにしますか?
  • HOW(どうやって):お店の雰囲気はどうしますか?どんな接客をしますか?
  • HOW MUCH(費用):お店の開業にはいくらの予算をかけますか?

そうして、「WHY」と「WHYを実現するための6つのこと」をまとめたものが、お店のコンセプトとなります。

【ステップ2】物件を探す

大切な、物件探しの段階です。

飲食店経営にとって、店舗の立地は、最重要な項目のひとつです。

物件は、以下の4点をふまえて探していきます。

飲食店の物件探しのコツ
  1. 立地が適切か?
  2. 顧客の導線が適切であるか?
  3. コンセプトに合っているか?
  4. 賃料(家賃)・保証料・工事費用・設備費用等が予算に合っているか?

まずはネットを利用して賃料の相場を調べます。

そして、自分でも出向きながら、不動産屋も活用して物件を探していきます。

【ステップ3】事業計画を立て、資金調達をする

次は、事業計画と資金調達のステップです。

融資を受けるには、金融機関の審査を通過する必要があります。金融機関の審査では「事業計画書」や「創業計画書」の提出が必要です。

例として、日本政策金融公庫に融資を申請する際に必要な「創業計画書」の内容を記載します。

日本政策金融公庫の「創業計画書」の入力項目
  • 創業動機
  • 契約者の略歴など
  • 取扱商品・サービス
  • 取引先・取引関係者(=客層)
  • 必要な資金
  • 調達の方法
  • 事業の見通し

審査が通過するように、しっかりと事業計画を作成していきます。

【ステップ4】メニューを決める

メニューを決めましょう!

メインメニューは、コンセプト設計の段階でも考えていると思いますが、このステップでは、メニュー全体の設計を考えます。

メニューは厨房設備にも関係してきますので、場合によっては、【ステップ2】の物件を探す段階よりも前に、決めておく必要があります。

【ステップ5】仕入れ業者を選定する

メニューが決まれば、仕入業者を選びましょう。

飲食店はどこから食材を仕入れる?
  • 近隣の小売店(商店・スーパー)
  • ネット・通販サイト
  • 卸売業者
  • 生産者

これらの仕入業者には、それぞれメリット・デメリットがあります。

お店のコンセプトや価格に合わせて、仕入れ先を選んでいきましょう。

【ステップ6】店舗内装・設備工事を進める

ステップ6は、店舗の内装や設備工事です。

設計業者(建築事務所等)・施工会社(建設業者等)の実績などを確認して、施工会社をリストアップしていきます。

また、飲食店の開業には、「施設要件」を満たす必要があります。

工事を始める前に、図面などを保健所に持参して、施設や設備が検査基準を満たしているのか、事前相談されることをおすすめします。

【ステップ7】資格取得・届出を行う

飲食店の開業に必要な資格の取得や各種届け出を行います。

飲食店の開業には、3つの資格と届出が必要です。

飲食店の開業に必要な3つの資格と届出
  • 食品衛生責任者
  • 防火管理者
  • 飲食店営業許可

こちらは、後ほど詳しく解説します。

【ステップ8】什器・備品を用意

店内で使用する食器や調理道具、テーブルや椅子などを用意していきます。

什器・備品は、新品や中古を購入する場合が多いですが、一部の高価な什器に関しては、リースをすることで初期費用を抑えることもできます。

抑えるところは抑えつつ、コンセプトに合ったもの、予算に合ったものを選んでいきましょう。

【ステップ9】集客とプレオープン

準備ができれば、お客様の集客と、プレオープンをします。

集客では、チラシを用意したり、SNSなどを活用してお店が開業したことを多くの方に知ってもらいましょう。SNSの活用では、TwitterやInstagramを使って、自分でお店の様子やお料理の写真をアップするのも一つの手です。

プレオープンでは、知り合いや友人に来店してもらい、SNSでの拡散に協力してもらうと良いでしょう。

プレオープンで明らかになった運用の問題点を改善し、開業の最終調整を行います。

【ステップ10】開業!

ようやく開業です!

「コンセプト」を忘れずに、店舗を営業していきましょう。ここからがスタートです!

飲食店の開業に必要な4つの資格と届出

小さな飲食店の開業には、3つの資格と届出が必要になると考えられます。

小さな飲食店の開業に必要な4つの資格と届出
  • 食品衛生責任者
  • 防火管理者
  • 食品営業許可

食品衛生責任者とは

食品衛生責任者とは、食品衛生に関する責任者のことです。施設の衛生管理にあたって中心的な役割を担います。

取得方法 都道府県が行う講習会又は知事等が適正と認めた講習会を受講すること。講習会の受講免除となる場合あり
費用 開催元によって異なるが、受講料はおおよそ10,000円。
講習会の日数 開催元によって異なるが、一般的に1日(6時間)。

講習は、通常1日で修了するものですが、開催する都道府県によって、開催日が異なります。また、都市部などでは、2ヶ月先まで予約が埋まっていることもあります。できるだけ余裕を持って受講を申し込みましょう。

防火管理者とは

防火管理者とは、消防に関する責任者のことです。施設の消防対策・防火管理にあたって中心的な役割を担います。

全ての飲食店で防火責任者の選任が必要なわけではなく、収容人員が30人以上の場合は、防火管理者が必要です。収容人員が29人以下のお店の場合は、防火管理者の資格や届け出は必要ではありません。

収容人員が30人以上の飲食店の場合、防火対象物全体の延べ面積によって、防火対象物区分が2つに分かれ、防火対象物区分ごとに、必要な防火管理者の資格が定められています。

防火対象物全体の延べ面積 300㎡以上 300㎡未満
防火対象物区分 甲種防火対象物 乙種防火対象物
防火管理者資格区分 甲種防火管理者 甲種又は乙種防火管理者

都道府県によって、防火管理講習の実施者が異なるため、講習時間や受講料が異なりますが、例えば「甲種防火管理者」は2日間、8,000円、「乙種防火管理講習」は1日間で、7,000円ほどで取れます。

食品営業許可とは

飲食店の営業許可は、飲食店を開業する際に必要な手続きです。

食品衛生法に基づく「営業許可の申請や営業届出」を行い、保健所による施設や設備の検査をクリアして、「営業許可」を取得することが求められます。

営業許可には、いくつかの種類がありますが、新しく食堂、レストラン、カフェ等、一般的な飲食店などを開業する場合は、「飲食店営業許可」を取得することになります。

飲食店営業許可の取得は、以下のステップで行われることが一般的です。

飲食店営業の取得ステップ例
  • 保健所に事前相談をする
  • 営業許可申請書類の提出をする
  • 保健所が施設検査を行う
  • 営業許可証が交付される

上記でご説明した、資格と届出の詳細は、「飲食店の開業に必要な資格や届出をわかりやすく解説」の記事で解説しています。

飲食店の開業に必要な資格や届出をわかりやすく解説

補足:調理師免許は飲食店の開業には不要

「調理師免許」は飲食店の開業には不要です。調理師免許がなくても、飲食店は開業可能です。調理師を雇う必要もありません。

【意味・定義】調理師とは

​​「調理師」とは、調理師の名称を用いて調理の業務に従事することができる者として都道府県知事の免許を受けた者をいう(調理師法 第2条 )。

まとめ

小さな飲食店を開業する際のポイントをまとめます。

  • 小さい飲食店は、1- 2人で回す、広さ10席程度のお店
  • 開業資金は1,000万円ほど必要だが、物件によって幅がある
  • 自己資金は開業資金の3割ほど
  • 小さい飲食店では、「コンセプト設計」と「効率の良い仕組み」が重要
  • 開業には10のステップと、3つの資格・届出が必要

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